文章 進本 正浩 誕生日は自分におめでとうと言う日ではなく・・・
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。このフレーズで有名な映画解説者、淀川長治さんの今年が生誕100年にあたる。 大の母親思いということで有名な淀川さんだが、生前のある対談で 「誕生日は自分におめでとうと言う日ではなく、お母さんにありがとうを言う日なんですよ。」 とおっしゃるのを聞き、いたく感銘をうけた。 以来、機会があれば自分なりにこのメッセージを伝えてきたのだが ある日、性教育の講義をさせて頂いている育徳館高校(旧・豊津高校)での授業を終えた時、 「先生の話はこういうことですね」と当時の教頭先生が次の歌の存在を教えてくれた。 《諸人(もろびと)よ/思い知れかし/おのが身の/誕生の日は/母苦難の日》 これは薬師寺の高田好胤師の講演で披露されたものらしい。 母から生まれ、親となる人たちへ伝えるべく、この歌を書とし院内に掲げている。 今年の誕生日もまず母の元へ行き、ありがとうを伝えた。 2009年 3月 |